はじめに
「自分だけのVTuberキャラクターを作りたい」——そんな夢をAIの力で実現する連載企画です。
本シリーズでは、プログラミングや高度なデザイン知識がなくても、AIツールを組み合わせてLive2Dベースのオリジナルバーチャルキャラクターを作り上げる手順を解説します。
全3パートの構成:
- パート1(本記事):ChatGPTでキャラクター設計 → AI画像生成
- パート2:画像のパーツ分け → Live2D Cubismで動かす
- パート3:VTube Studioで動作確認 → 配信デビュー
必要なツール一覧
まず全パートを通じて使うツールを把握しておきましょう。
| ツール | 用途 | 費用 |
|---|---|---|
| ChatGPT(Plus推奨) | キャラクター設計・画像生成(DALL-E 3) | 無料/月$20 |
| Midjourney | 高品質な画像生成(任意) | 月$10〜 |
| Adobe Photoshop または CLIP Studio Paint | パーツ分け作業 | 月数百円〜 |
| Live2D Cubism Editor | モデリング | 無料(Pro版あり) |
| VTube Studio | 動作確認・配信 | 無料(Steam) |
ステップ1:ChatGPTでキャラクターを設計する
まずキャラクターの「設定」を言語化します。見た目だけでなく性格・世界観まで決めておくと、後の画像生成プロンプトの精度が上がります。
ChatGPTへの依頼プロンプト例
以下のようなプロンプトをChatGPTに入力してみましょう。
私はオリジナルのVTuberキャラクターを作りたいです。以下の条件でキャラクター設定を3パターン提案してください。
- モチーフ:ハムスター(擬人化)
- ターゲット:ゲーム実況・雑談配信向け
- 雰囲気:のんびりかわいい、親しみやすい
- 日本のアニメ調イラストに合うデザイン
各パターンに「名前・外見の特徴・服装・性格・口癖」を含めてください。
ChatGPTは3〜5パターンのキャラクター案を返してきます。気に入った要素を組み合わせたり、さらに深掘りする質問を重ねてキャラクターを育てていきます。

キャラクター設定の深掘り
ベースができたら、以下のような追加質問で設定を固めます。
「はむくん」に決めました。このキャラクターの詳細な外見設定を教えてください。Live2D用の正面顔イラスト向けに、耳の形・毛の色・目のデザイン・服装の特徴など、できるだけ具体的に描写してください。
ポイント:「Live2D用の正面顔」と明記することで、画像生成に使いやすい向きの描写をChatGPTが出してくれます。
ステップ2:キャラクター設定書を作る
ChatGPTとのやり取りから、以下の形式で設定書をまとめておきましょう。後でプロンプトを修正するときに役立ちます。
キャラクター名:はむくん
種族:ハムスター(擬人化)
体毛:ゴールデンハムスターカラー(背中は薄茶色、お腹はクリーム色)
耳:丸くて小さなハムスター耳(内側がピンク)
目:真っ黒でぱっちりした大きい目、つやつやしたハイライト
服装:ふわふわのベージュパーカー、白シャツ、ほっぺが少しぷくっとしている
性格:のんびりマイペース、食べ物大好き、好奇心旺盛でちょっと臆病
口癖:「〜はむ!」「もぐもぐ…」
ステップ3:AI画像生成でイラストを作る
DALL-E 3(ChatGPT Plus)を使う場合
ChatGPT PlusユーザーはそのままDALL-E 3で画像生成できます。
以下の設定でアニメ調のキャラクターイラストを生成してください。
>
・正面向き、バストアップ(胸から上)
・白背景(透過しやすいシンプルな背景)
・ハムスターの擬人化キャラクター、丸い耳(内側ピンク)
・ゴールデンハムスターカラーの体毛、お腹はクリーム色
・真っ黒でぱっちりした大きい目、つやつやしたハイライト
・ふわふわのベージュパーカー、ほっぺたがぷくっとしている
・アニメ風、高品質、線画がくっきり
重要:必ず「正面向き」「白背景」を指定してください。横を向いた画像やごちゃごちゃした背景はLive2D加工が難しくなります。
Midjourneyを使う場合
Midjourneyを使うと、よりアニメらしい高品質な画像が生成できます。
cute hamster boy vtuber, anthropomorphic hamster, front facing, bust up portrait, white background, round small ears with pink inside, golden hamster fur color, cream belly, big shiny black eyes, beige fluffy hoodie, chubby cheeks, anime style, clean line art, high quality --ar 3:4 --niji 6
--niji 6はアニメ特化モデルです。VTuber向けのイラストに非常に向いています。
ステップ4:画像を選定・調整する
複数の画像を生成したら、Live2D制作に使える画像かどうか以下の観点でチェックします。
Live2D向け画像のチェックリスト
- 正面を向いているか:顔が斜め45度以上向いていると、左右対称のメッシュが作りにくい
- 目・口・眉が明確か:パーツが重なっていたり、影で潰れていないか
- 髪のシルエットが明確か:前髪・サイド・後ろ髪が区別しやすいか
- 背景がシンプルか:単色またはグラデーションが望ましい
- 解像度は十分か:最低でも2000×2000px以上推奨
気に入らない部分を再生成・修正する
DALL-E 3なら「目をもう少し大きく」「髪のリボンを赤にして」のように追加指示で再生成できます。
Midjourneyでは --seed を固定して細部だけ変えるか、生成した画像に対して「Vary (Subtle)」で微調整できます。
(生成した画像を貼り付けて)この画像の目をもう少し大きくして、瞳のハイライトを増やしてください。他の要素は変えないでください。
ステップ5:最終画像の準備
Live2D作業に進む前に、選んだ画像を適切な形式で保存します。
推奨保存形式
- 形式:PNG(透過対応のため)
- 解像度:3000×3000px 以上が理想(後でパーツを切り出すため)
- カラーモード:RGB
PhotoshopやCLIP Studio Paintがある場合は、この時点で画像を開いておくと次のパーツ分け作業にスムーズに移れます。
よくある質問
Q. ChatGPTの無料版でも作れますか?
DALL-E 3の画像生成はPlus(有料版)限定です。ただしキャラクター設定の作成は無料版でも可能で、画像生成はMidjourneyやAdobe Fireflyなど他のツールで代替できます。
Q. イラストが著作権的に問題ないか心配です
現在の日本の法律では、AI生成画像の著作権はケースバイケースです。商用利用する場合は各AIサービスの利用規約を必ず確認してください。個人のVTuber活動であれば多くのサービスで問題ないとされています。
Q. 絵が得意ではないので不安です
このシリーズはAIがイラストを生成するため、手描きスキルは不要です。プロンプトを工夫する「文章力」が最も重要なスキルになります。
まとめ
パート1では、ChatGPTでキャラクター設定を固め、AI画像生成ツールでイラストを作成しました。
次のパート2では、完成した画像をPhotoshopまたはCLIP Studio Paintでパーツごとに分割し、Live2D Cubism Editorでキャラクターを実際に「動かせる」状態にしていきます。
Live2Dのパーツ分けは少し手間がかかりますが、完成したときの感動は格別です。ぜひパート2も読み進めてみてください。